女性社員が考える誰もが働きやすく、
活躍できるKGLとは
長らく男性中心といわれた物流業界にも、変化が確実に訪れています。
男女に関係なく働きやすいKGLを実現するために、求められる職場環境や制度などについて、
KGL Women’s College(KWC)を受講した女性社員たちが語り合いました。
※KWCはKGLの女性社員が経営視点を持って各自の能力を向上させることを目的とした研修
佐野 有希
2017年新卒入社
本社 物流管理部物流管理担当
北山 由莉
2016年新卒入社
本社 物流管理部物流管理担当
原 亜莉沙
2010年新卒入社
北海道支社 物流管理部物流管理担当
八鍬 沙希
2008年新卒入社
東日本支社 グループ物流部受注・需給担当
野田 沙織
2019年経験者採用で入社
西日本支社 物流管理部物流管理担当
佐野 亜由美
2020年経験者採用で入社
九州支社 物流管理部需給・調整担当
※所属は座談会実施当時
ワーク・ライフ・バランスの観点で、KGLの環境はどのように映っていますか?
私が所属しているマスター請求書チームは、ほとんどの業務がペーパーレスに切り替わっていることもあり、個人が自由に在宅勤務を選べ、またフレックスも積極的に活用しています。育児や介護に関わるメンバーが多いので、そういう意味では働きやすいと思います。
産休・育休を終えて、時短勤務で復職しました。本社に異動してからは在宅勤務を中心とし、フルタイム勤務に変更しました。チームミーティングなど出勤が必要なタイミングもありますが、環境は整っていると感じますね。
北海道支社の需給や調整などの業務では、各人の在宅勤務と出勤日を記入したカレンダーをチームで共有しています。出荷場所の担当も、計画を立ててうまく調整しています。
最近の九州支社では出勤がメインの人が多いですが、個人的に家庭の事情で通常勤務が難しくなった際、在宅勤務やフレックス制度が役に立ちました。予想していなかった事態だったので、働き方を選ぶことができて、本当に助かったのを覚えています。
個人的には出社したほうが仕事をしやすいのですが、チームの中には時短勤務や在宅勤務をしている人もいます。選択肢があって、選べるのはうれしいですね。
本社はそもそもフリーアドレスなので、基本は在宅勤務になっています。以前需給担当をしているときは、皆さん在宅勤務をかなり活用しているようでした。若手だけでなく、幅広い世代の皆さんも活用していたのが印象に残っています。
以前は、小学校の保護者会などには半休を取って出ていましたが、今はフレックス制度を使えば1時間だけ離席して出席することもできます。休暇を取らなくてもよくなりました。
休暇の自由度はいかがでしょうか?どんな課題があるでしょうか?
現在は支社ごと、さらにはチームごとに一週間連続休暇の取得に取り組んでいて、私の所属しているチームでも取得を呼びかけています。実際に取得しているメンバーもいますし、決して難しいというわけではないですが、会社として推進してもらえると、もっと取得しやすくなると思います。
今年9月に行われる海外視察に私の部署から4人参加するのですが、研修といっても人手が減る点では連続休暇と変わらないので、どのように仕事を回していくのか、今から備えています。うまく対応できたら、一週間休暇の取得にもつながると思っています。
若手社員に話を聞いたところ、部署内で長期休暇の希望時期がかぶることもあるようです。長期休暇の取得制度があれば帰省や旅行がしやすくなり、今まで以上にリフレッシュして仕事が続けられるのではないかと考えています。
私は異動したばかりで1年間の仕事の流れをまだつかんでいないので、今はまとまった休暇は取りにくいのですが、仕事の流れをつかめたら計画的に取っていくつもりです。
物流ならではのチャレンジや、乗り越えてきた苦労は?
入社してすぐに、SAPシステムのキーユーザーに任命されたのですが、本番稼働までの事前準備が大変でした。キーユーザーの役割はSAP導入プロジェクトと実際にシステムを使用するエンドユーザーの橋渡しをすること。トレーニングはもちろん、さまざまな打ち合わせなどに参加していましたが、私自身がコロナ禍での入社だったため、面識のある人もいないばかりか、そもそもKGLの知識も需給の知識も不足している状況でした。わからないことがあっても相談することができず、打ち合わせについていくのも必死でした(笑)。
以前いた横浜支店は、首都圏に酒類を出荷する拠点だったのですが、コロナ禍で緊急事態宣言が出たときに、とんでもない数の料飲店用の生ビール樽が返ってきた経験が印象深いです。
SAPシステムのキーユーザーでもう一つ思い出したのが、キリンビジネスシステム(キリングループ内のシステム会社)のトレーニングが終わると、それを自分のチームに展開する必要があったこと。他人に頼れないものだったので、本当に大変でしたね(笑)。
私も一人で乗り切りました。置き場所がなくなるぐらい大量の樽を目の当たりにして、これをすべて廃棄するのかと考えると、圧倒されるような経験でしたね。
お二人に比べると、私の経験はまだライトかも(笑)。北海道支社は他支社に比べると受注件数が少ないこともあって、「誤受注ゼロ」が目標だったのですが、ゼロを維持することがプレッシャーでした。当時は品質担当だったので、毎月のミーティングで他支社の事故事例を紹介して、自分事として考えるよう促すのですが、なかなか浸透しません。それに、事故はゼロでもヒヤリ・ハットは日々起きます。それも自分事化してもらおうと共有はするのですが、最初は全然うまくいきませんでした。
どうやって解決しましたか?
とにかく時間をかけて粘りました。誤受注ゼロが続いていくと、それを死守しなければいけないという意識がだんだんチームに生まれて、夕礼で自主的に事例が共有されるように変わったんです。そこに至るまでが長かったです。
私は、運賃業務が各支社から本社の人事総務部に集約されることになり、北海道支社から本社に異動したときのことですね。九州からの異動者がいなかったので、北海道から来た私が九州を担当することになったのですが、運賃はそれぞれの地域と密接なつながりがあるので、九州のことを全く知らない私にはかなり難しい仕事でした。
運賃の仕組みは複雑ですからね。
でも、負けず嫌いなので、「できない」とは絶対に言わないと決めていました。九州の地図を覚えるところから始め、わからないことは九州支社の方にも聞きながら、何とかやり遂げました。当時はまだ若かったからできたのかもしれません(笑)。
私がこれまでで一番悩んだことは、復職後の自分のキャリアについてでした。社内公募制度で、本社の物流管理担当に挑戦することにしました。今は、将来の自分のキャリアを描きながら働くことができています。
今の部署が、これまでで一番難しいです。支社で答えが出せなかった案件も来るのですが、支社の方もプロフェッショナルなのに、実務を経験したことがない私に答えが出せるのかと不安になります。でも、職場の同僚や後輩が堂々と仕事をしているのを見ると、自分も頑張ろう、という思いも日々強くなります。
ご自身の経験も踏まえて、後輩たちの姿をどんな心持ちで見ていますか。
私の部署はキリングループ各社とKGL支店の調整役なので、複数の部署から意見や要請を受けています。私は最短距離で回答を見つけようとしてしまいますが、若いメンバーは各部署の話を熱心に聞いて対応にあたっています。その姿はすごく頼もしいですし、本当にいい刺激になっていて、見習いたいことがすごく多いです。
同じチームの中に若手の女性社員がいて、着任当初は何かとこちらから世話を焼くことが多かったですが、最近は個性を大事にしてサポートに徹することを心掛けています。今は自発的にいろいろと動いてくれるようになり、もうどこへ出しても大丈夫かなと、勝手に母親みたいな気分で見ていますね(笑)。
本社や支社の物流管理担当には私よりも年下の方が増えてきて、頑張っている姿を見るといつも刺激をもらっています。
私は年齢が近い先輩があまりいなかったので、目標や手本もない分、マイペースに育った世代だと思います。今の若い人たちは、目に見える成長や成果が出ないと自身に市場価値がないと悩むかもしれませんが、成長を焦らずに目の前のことを大切にしてほしいです。
若手の方には、他人と比較しないで、長所を伸ばすように心がけてほしいです。私のチームにはベテラン層が多いのですが、今後は若手メンバーが配属されるチームになればいいなと思っています。
KWCの受講者には、北山さんや佐野さんのような若いのにすごくしっかりした、意欲のある方が多くいらっしゃると思いました。頼もしい後輩たちがたくさんいて、うれしい気持ちになったのを覚えています。
これからのKGLがどうなってほしいか、皆さんの思いを教えてください。
物流は男性の業界というイメージがまだありますが、KGLをもっと女性が活躍できる会社にしていきたいですね。
やっぱり、運賃がとても複雑なのが課題かな。2024年問題に伴って大幅な運賃改定が行われ、さらに複雑になってしまいました。何とかもう少しわかりやすく、シンプルなものにしたいと思います。
実務に関しては北山さんの言う通りで、複雑さと属人化は課題ですよね。人に頼り過ぎているところをきちんと整理するのと、業務の効率化や簡素化が必要でしょうね。
私が入社したときは、KGLは男の会社だと先輩から言われましたが、ようやく育児や介護をしている人でもキャリアを望めるようになってきました。若い社員が悩まずにキャリアを選べるようになるために、また、介護をしている人が今後もKGLで働きたいと思えるようになるためにも、私がひとつのモデルになれたらと思います。
私が入社した頃はキャリアイメージがつかみにくい会社と感じていましたが、出向から戻って見たKGLは、いろいろな制度ができて、多様な働き方もできるようになっていて、キャリアイメージを描きやすい会社に変わったと感じました。ただ、もっと良くする必要はありますし、そこは私たちの役割ですね。
社員の年齢差が大きく、特に私のような30代前半ぐらいの社員が少ないんですよね。こういう会社は多いと思いますが、若い社員にとっては、10年後の姿が見えにくくなっているとも思います。なので、私がモデルケースとして見てもらえるようなりたいと考えています。こんな女性の先輩もいるよと示せるような、ちょっと面白いキャリアを歩んでいきたいです。
入社したときには、将来の自分のキャリアについて考えもしなかったのですが、KWCなどの研修を通して意識が変わってきました。若い社員も、産休・育休を取る人も取らない人も、自分らしいキャリアイメージを描けるようになることが大切と思うので、野田さんも話していたように、こういう社員もいるんだと思ってもらえるようなモデルになれたらと思います。