若手社員が見てきた物流業界と、
これからのKGLが目指すべき姿とは
「キリン品質」を掲げ、「運びきる」ことにこだわってきたKGL。
その姿は若手社員にどのように映っているのでしょうか。
そして、2024年問題や人手不足、自然災害への対応など、
さまざまな課題に揺れ動く物流業界をどのようにとらえ、KGLをどう導こうとしているのでしょうか。
玉城 涼
2016年新卒入社
東日本支社 物流管理部 湘南支店
嶋田 智文
2020年経験者採用で入社
東日本支社 営業部輸送業務担当
松本 はるか
2021年経験者採用で入社
東日本支社 グループ物流部受注・需給担当
野上 優一
2019年新卒入社
西日本支社 物流管理部物流管理担当
大西 晴奈
2020年経験者採用で入社
西日本支社 グループ物流部受注・調整担当
※所属は座談会実施当時
KGLを志望したきっかけや、入社の決め手について聞かせてください。
KGLのインターンに参加したのが2018年でした。世間的には2024年問題はまだ少し先の話だったのに、すでに意欲的に取り組んでいて、KGLなら成長できそうだと感じたのが入社の決め手です。
もともと物流系の会社にいて、経験者採用で入社しました。KGLはキリングループ各社と一体感があることや、物流の企業では数少ない需給機能を持っているところに違いがあって、そこに興味がわいたのがきっかけですね。
入社を決めたのは、採用面接で誠実に向き合ってもらい、自分の「素」が出せたからです。
私も前職から物流企業でした。物流の仕事には突発的な対応が付き物ですが、刺激的で好きなんですよ。KGLは全国社員とブロック社員を切り替えることもでき、いろいろな働き方が選べるので、長く働けると思って入社を決めました。
KGLには「キリン品質」という言葉があり、事故件数も業界トップクラスの少なさです。ここで働くことが自分自身のステップアップにつながると考え、転職を決めました。そのときはビビっときましたね(笑)。
いいことも悪いことも含めて、入社後に感じたギャップは?
いい意味でギャップを感じたのが、職場の雰囲気。前職の現場は、言葉遣いもちょっと荒っぽくて、まさに男らしいというか(笑)。KGLは空気が優しいというか温かくて、新米の自分の意見も聞いてもらえました。
現場が和やかですよね。それでいて、意見もよく聞いてもらえるので、現場ファーストだなと感じます。
予想していたよりも安全意識が高かったのは、いい意味でギャップでしたね。一丸となって安全に取り組んでいることがよくわかりました。
KGLはキリンビールやキリンビバレッジのようなキリングループ各社とのコミュニケーションが円滑だなと思います。これまで育んできたコミュニケーションが、いい形で働いていると思います。
キリングループ各社との連携といえば、指定の納品時間を守るのが難しくなったとき、担当者から特約店に連絡を入れてもらい、時間緩和をしていただいたこともあります。現場にとってはありがたかったですね。
安全や品質を守ることや、一体感を大切にするのが伝統かもしれませんね。しかし、中には現代にマッチしていないルールもあるので、検討は必要だなと感じています。
真面目な社員が多いからか、よくも悪くもかっちりしていますよね。たしかに、見直してもいいと思うルールもあります。
KGLでの経験で、身についた実感のある力はありますか?
こちらからのお願いを、お客さまやキリングループ各社に理解してもらうスキルでしょうか。相手の立場になって、必要な情報をどう集めてどう見せるのかということが、うまくなったと思います。
受注業務の特性かもしれませんが、お客さまやキリングループ各社など多くの方との接点があるので、それぞれの目線を意識する必要があります。そのおかげで、視野は広がった実感があります。それに、経験の浅い人間の意見もしっかり聞いてくれるので、自分の意見を臆せずに発信できるようになりました。
入社当初は、支社から送られてくる情報をそのまま現場のドライバーさんに伝えるだけでしたが、最近では現場の事情や背景もわかってきて、本当の意味で間に入れるようになったなと実感しています。
新人三人のメンターとトレーナーを担当して、新入社員に対して言っていいこと、言ってはダメなこと、気配りすべきことを意識しながら仕事が進められるようになったと思います。
営業部で配車を担当したとき、最初はドライバーさんから「これはできないよ」と言われることが多かったのですが、周りのベテラン担当者をお手本に、「では、こうしたらどうですか?」と提案したり、ドライバーさんのトラブルに親身に対応したりするうちに、だんだんと応じてもらえるようになりました。また、車がそれぞれどこにいるかが自然に頭に入るようになってきて、配車の入れ替えが必要なときに、対応をすぐ判断できるようになったことも進歩かなと思います。
「人のよさ」がKGLの特徴のひとつ。皆さんのエピソードは?
キリンビール「晴れ風」の発売当時に担当をしていました。出荷が始まったときはものすごく忙しかったのですが、チームのメンバーが他のアイテムを引き取ってくれたおかげで、注力できました。何かあったときの一体感が強いです。
誰かがやっかいなことに直面したら、「手伝おうか?」と、必ずといっていいくらい声をかけてくれます。そういうところに優しさやチームワークを感じますね。
業務でもトラブル対応でも、まずは「好きにやってみなさい」と言われることが多いかな。そして、途中で行きづまると、こちらの考えも尊重しながらアドバイスをくれて、最後まで任せてもらえることが多いと思います。「何かあったら助けてやるから」とよく言われました。
成長につながったと感じる、チャレンジングな出来事は?
一人で業務を行っているときに発生したトラブルを乗り切れたことかな。納品の順番を変更する必要があったので、お店に連絡しつつ、それぞれのドライバーさんにも指示を出しました。一人でしたが、納品が遅れることなく対処できたので、我ながら成長したと感じました。
KGLに入社したばかりで受注業務にも不慣れなときに、新システムのSAPが導入されました。新しいシステムの仕様と、受注業務との関連をいろいろな人に聞いて回って勉強した結果、スムーズに導入することができ、達成感と自身の成長を実感できました。
2023年2月の西名古屋センターの立ち上げでは、最初は何から手をつければいいのか分かりませんでした。委託する作業会社は、キリンビバレッジ製品の扱いには慣れておらず、パレットに何ケース積めるかといったルールも知りません。それでも、タスクをひとつずつ片付けていって、ゴールが見えたときは感動しました。でも、正直なところ人手がもう少し欲しかった(笑)。
SAPシステムの立ち上げのときは、あまり準備が進んでいなかったので、導入当初は時間をかけて力技で運用していました。その中で、今まで使っていたExcelとどう合わせるかといったことをひとつずつ調べて、1カ月後ぐらいには湘南支店に合った運用ができるようになりました。そのときは成長したなと思いました。
最近だと、災害の影響で緊急に静岡方面に配送することになったときに素早く対応できたことです。「ウチはこの地域に車を出す」と各チームでホワイトボードに書き込んでいって、あっという間に埋まりました。営業部では一人でというよりは、全体で力を合わせることが多いです。
「晴れ風」は新発売から一週間ほどたっても予測の倍以上の出荷が続いて、余るほどあった在庫もほとんどなくなり、そしてついには出荷停止になってしまいました。こうしたトラブルはありましたが、何とか波を乗り越えられた経験は、今後の需給の仕事でも大きな力になりそうです。
これからのキャリアで、取り組んでみたい仕事や分野はありますか?
他の部署の考え方や仕事の進め方を経験したいし、外からKGLを見たいとも思っています。それが将来につながるはずです。そのひとつとして海外の物流視察に参加する予定です。外国の物流も見て、考え方の幅を広げたいですね。
入社からずっと配車担当なので、構内の受払や受注、需給などの業務も経験したいです。配車の立場では文句を言いたくなることでも、受注や需給にも言い分があるはず。お互いの立場がわかれば、今後の業務がもっとやりやすくなって、効率のいい仕事ができるようになると考えています。
自分も需給担当をやってみたいと思っています。「運びきる」ために無茶な依頼も引き受けますが、「何でやねん」という不満が出てしまうのも事実です。でも、需給の仕事がわかるようになれば、依頼の理由もわかって、納得して引き受けられるようになるかなと思っています。
私は反対に需給しか経験していないのですが、需給の仕事は何ですかと問われると、なかなか表現が難しいです。需給は他部署から見ると、業務内容が分かりづらいかもしれませんが、需給をやってみたいと思ってもらえるよう、魅力を伝えられるようになりたいです。
私は物流管理に興味があります。KGL全体の流れを俯瞰できる立場なので、視野が広がって、総合的な物流スキルも得られるのではという気がしています。
物流管理担当としては、すごく恥ずかしくなってきた(笑)。大西さんはリーダーですが、リーダーを務めるにあたって、意識していることはありますか?
周りが若いので年次でリーダーになったところはありますが、人を見ることを大切にして臨んでいます。人をよく見て、最適な仕事を割り振ったり、うまく育ってくれそうなポジションにつけたりします。業務については、専門的なスキルを持つメンバーに任せて、何かあったときにリーダーが選択肢を提示できる状態なら、チームはうまくいくと考えています。
めちゃめちゃかっこいいなあ(笑)。
KGLの未来について、皆さんが思い描いている姿は?
KGLを家族やほかの人に誇れる会社にしたいという、ざっくりとしたイメージを持っていますが、そのために必要なものまで思い描けるようになるのは、まだこれからかな。
KGLは単なる物流会社ではなく、キリングループの機能分担会社だと思っています。物流視点からグループの最適化につながる働きができる会社になるのが、理想の形ではないでしょうか。自分に何ができるのかと言われると、答えるのはまだ難しいですが……。
大きなことよりも、むしろ小さなことを実現していきたいです。物流の仕事は運んで当たり前で、常に一定の成果が求められる業界だと思います。それを続けるためには、小さな改善を続けていくことが必要ではないでしょうか。改善すべきものを探し続けて、変えていきたいと思います。
毎日出勤したい、出社が苦にならない、誰もがずっと働いていたいと思える会社にしたいと考えています。小さなことですが、人を育てるのは大変ですし、実際に人手をずっと欲しがっている部署もありますから。働く人を大事にするという当たり前のことが大切かと思います。
KGLでは、何かあったときに「運びきる」とよく言います。今は当たり前にできていますが、少子高齢化でドライバーさんは50代、60代が多く、営業部もベテランが目立ちます。将来もずっと「運びきる」ために、働きやすく魅力的な会社にすること。そこに自分も貢献したいなと思います。